I am 与太郎

やりたいことは全部やる

オーストラリア ワーキングホリデー ミートファクトリー編2

皆さんこんにちは与太郎です。

 

 

牛のKILL FLOORに配属が決まった僕はこう思っていました。

 

「もしかしたらこれで指や爪の痛みとおさらばできるかもしれない」と。。。

 

しかし現実はそんなに甘くはなかった。。。

 

 

まず、牛のフロアに配属したら装備が増える。

 

ナイフが必要になり、研ぎ棒も買い、必要とあれば研ぎ石も買う。

さらにナイフを使うため左手には鉄製の手袋を装着し、エプロンの内側には鎖帷子(くさりかたびら)を着用する。

 

このため装備が以前よりも重くなった。そしてナイフの手入れにも時間を割かなくてはならなくなった。

 

この時はまだナイフ研ぎの重要性に気づいていなかった。。。

 

 

そしてこのフロアを仕切るスーパーバイザーは韓国人の”サニー”だ。

ほとんどオージーが占める役職の中に唯一の韓国人だからできる男なのだろうが、この男の評判はすこぶる悪い。

特に同じ韓国人のワーカーからの評判は最悪だ。

牛のKILL FLOORは常にサニーの怒号が飛んでいる。10秒に1回は”Fuck"と言っている。ミスをすればしこたま怒鳴られ使えなければクビだ。

 

だがのちに僕はサニーとかなり仲良くなる(笑)

ジムで一緒にトレーニングしたりと・・・僕は嫌われ者と仲良くなる傾向があるのだ。

 

初めて牛のKILL FLOORに入った時は正直ビビった。。。

巨大な牛の後ろ足の片方だけが吊るされた状態だったが、あまりにも巨大すぎて冗談抜きに恐竜かと思った。。。牛ってこんなにデカかったっけ。。。

 

そんな張り詰めたフロアで僕の任された仕事は「ヘッドボーニング(骨抜き)」だ。

 

簡単に説明すると牛の顔面だけが吊るされて僕のところに流れてくる。

 

前行程ですでにむき出しになっているタンを切り取り、喉の骨を切り捨てる。

 

ここからがメインの作業だ。

 

牛の頬肉をなるべく無駄のないように骨から剥がすように切り取っていく。

 

手順は文章では絶対に説明できない。。。

 

両頬肉を切り取ったら次は尻尾を取りに行き、尻尾についている毛を1本残さず洗い流す。

 

この一連の作業をラインが止まっている間にこなさなければならない。

 

このポジションはテクニックがいる。そして何よりもスピードが重要。

 

そしてそれらを発揮するには最高の切れ味のナイフを持っていなければならない。

 

最初の1ヶ月間はこれに苦労した。

 

一頭切るごとに悪くなっていく切れ味。研ぎ棒と砥石で常にシャープなナイフを保たなければ仕事にならない。

 

ナイフは死ぬほどデリケートだ。少し研ぐ角度が変わっただけできれないナイフとなり、仕事中不意に刃先が牛の歯や自分の鉄製の手袋にちょこんと触れただけでも肉に刃が通らなくなる。

 

ナイフの研ぎ方が未熟な僕はいろんな人に研ぎ方のコツを聞いて回ったが一向にシャープなナイフを作れないでいた。。。

 

切れ味の悪いナイフを使うということはその分無駄に力を入れざるを得ないしスピードも遅くなる。

 

短い制限時間の中で1日約400頭の牛の顔面を1人で切り裂く。

 

想像以上にキツかった・・・時間に追われるストレスやすぐに切れ味の悪くなるナイフ、そして何よりも指の痛みによって僕は終始イラついていた。。。

 

こんなにイラついたことはないってくらいこの1ヶ月間はストレスに満ちていた。。。

 

この時の僕の手は終わっていた・・・爪はまだマシだがパンチの時よりも手を酷使しているじゃないか・・・特に左手は痺れていて感覚がなくなっていたし、パンパンに腫れ上がり全く手を握ることもできなくなっていた。

バネ指も悪化し、寝ている時の寝相で指が動くとその痛みで目を覚ましていた。

特に朝はひどく、毎朝お湯に両手をつけてほぐしていくことから1日は始まる。

実際手を満足に握れない状態が半年以上も続いたが、爪が再生し、指の太さが元どおりになりバネ指も改善され普通に痛みなく手を握れるようになった時は本当に嬉しかった。

普通のことが普通ににできる喜びをこの時知った。

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 パンッパン!!

 

 

ヘッドボーニングを始めて1ヶ月がたった頃、ある男を紹介してもらう。

 

台湾人のエドワードだ。

 

どうやら彼は以前他の工場にも務めており工場経験が豊富でナイフの研ぎ方がプロだと聞いた。実際いろんな人にナイフの研ぎ方などを指導しているらしい。

 

ある日僕は彼のナイフを少しだけ使わせてもらった。

 

なんなんだこれは・・・まるで豆腐を切っているみたいではないか。。。

 

これに感動した僕は次の休みの日にマイ砥石を持って彼の家を訪れ指導を仰いだ。

 

彼の口から発せられる言葉の数々は全て新鮮で目から鱗もんだった。。。

 

それ以降僕は毎日出勤前に入念に自分のナイフを研ぎ、常に万全な状態で仕事に臨めるようになった。

 

この頃には僕はプロのヘッドボーナーヘと進化を遂げていた。

 

 

だが、そんな最高にシャープなナイフを使っていても歯が立たない相手がいる。

 

それがブルだ。どうやらオスの牛のことらしい。

 

こいつは他の牛よりさらに巨大でその全てが規格外だった。

顔デカッ!重っ!!尻尾太っ!!!肉切れなっ!!!!といった感じ。

これはもう逆にテンション上がってくる。

 

もう1つめんどくさいのがあった。

 

それはNON HALALである。

イスラーム法において合法なものの事をハラールといい、非合法なもののことをハラームといいます。そして、最近ではそれ以外のハラールでない物の事を非ハラール(non halal)と称する事もあります。

引用:日本ハラール協会

 

うちの工場ではイスラム圏に輸出しているみたいでNON HALALの牛は捨ててしまいます。。。

 

彼らの決まりで彼らのうちの誰かが直接首を切ったものでないとハラール認定されないみたいだ。

なので牛が輸送中に死んだりしたらそれはNON HALALとなり食べることはできない。

 

そのため数人のハラールの使者がフロアにいて交代で首を切っていた。

首を切っていない時はただつっ立っているだけだ。

 

そしてNON HALALの牛が流れてくると彼らは厳しく見守る。

なぜならNON HALALの牛を触った手でHALALの牛を触るとそれもNON HALALになってしまうからだ。。。なので彼らは僕らがNON HALALの牛 を触った後にちゃんと手を洗っているかを見ているのだ。ここに関してはかなり厳しい。

 

正直内心「子供か!」と思っていた・・・「うわ、きったねぇ◯◯菌タッチ〜はいお前感染したー」とか子供の頃やってたなーと思い出した。。。

 

 

そんなこんなでこのポジションで半年間働きましたよ。

 

ちょうど帰国する2週間前くらいに仕事を終えて日本へ帰る準備をした。

 

そういえばタックスリターンを忘れずに。

詳しくはここでは書かないけど僕のいた時と今では税率も変わってあんまり返ってこないみたいですね。

僕は$2000〜3000くらい返ってきました。

自分でやるのはめんどくさいのでエージェントに任せましょう。

僕が使ってたのはここです。

ezytaxonline.com.au

安いし問題なくできました。

年金の返還もここでやりました。

年金は少し手こずりましたけど$1000は返ってきました。

 

 

こうして2年間のオーストラリア生活が終わりに近づいてきて、「他にやり残したことないかな?」と考えていたら「あ、”あれ”やってなかったな・・・」ということで帰国までの1週間くらいの間で”あれ”をやりました。”あれ”はやばかった。。。

 

 

 いよいよ帰国ですがもうすでに次の行き先は決めていました。

 

”フィリピン”です!!

 

一時帰国後にフィリピンはセブ島に出発します。